天候が消費行動に影響を与えることはよく知られていますが、POSデータを分析すると、雨の日に特定の商品が売れやすくなる傾向があることがわかります。今回は、雨の日の売上の変化について、意外なデータをもとにお話しします。

あるスーパーマーケットのPOSデータを分析したところ、雨の日には即席食品や冷凍食品の売上が増えることが判明しました。これは、外出を控える消費者が多く、簡単に調理できる食品を購入するためと考えられます。特に、カップラーメンやインスタントスープの売上は晴れの日と比較して1.5倍以上に増えていました。また、冷凍うどんやパスタソースの売上も伸びており、自宅で温かい食事を手軽に準備したいという需要があることがうかがえます。

一方で、意外な商品として「お菓子」と「アルコール」の売上が増加していることもわかりました。特にチョコレートやポテトチップスのようなスナック菓子は、雨の日に通常よりも20%以上売上が上がることが確認されました。これは、外出せずに家で過ごす時間が増えることで、映画鑑賞や読書のお供としてお菓子を楽しむ人が増えるためと考えられます。これと同様に、ビールやチューハイなどのアルコール飲料も雨の日に売れやすい傾向にあります。

さらに、雨の日に売上が伸びる商品の一例として「クリーニング用品」や「室内消臭剤」も挙げられます。部屋干しの機会が増えることで、衣類用の消臭スプレーや除湿剤の購入が増えるのです。特に、雨が続く時期にはこの傾向が顕著になり、店舗によっては通常の1.3倍以上の売上を記録することもありました。

一方で、炭酸飲料やアイスクリームのような冷たい飲食物は、ブランドや容量によっても異なりますが、晴れの日に比べて売上が減る傾向が見られます。また、アウトドア関連の商品や衣料品の一部も、天候の影響を大きく受けるため、販売計画を考える際には天気予報と連動させることが重要になります。