シェアと構成比

分析講座 第5回 市場POSデータ分析:初級④

今回はメーカー別の分析を紹介します。自社がメーカーであれば、自社と競合の関係を把握するうえで、重要になってきます。しかし、卸売業や小売業にとっては、必ずしも必要な切り口ではありません。ですので、メーカーが小売業への提案にデータを紹介する場合は資料として含めないのが一般的です。

 

 

メーカー別分析も今まで見てきたアウトプットイメージと基本的に同じです。第2回で説明したように、カテゴリー別の割合は「構成比」と表現するのに対して、メーカー別やアイテム別の割合は「シェア」と表現します。

 

 

リーフ日本茶のメーカーは地域密着の企業が多いため、全国的に展開している企業は1社のみです。その大手メーカーAは金額シェアが23.3%で、比較期間の22.3%より1ポイント伸ばしています。加えて金額増減率は若干のマイナスながらも、上位メーカーの中で最も小さい下げ幅となっていました。リーフ日本茶の落ち込みは、2位メーカー以下の影響が大きいことがわかります。

 

構成比やシェアの比較期間差(前期差)は「〇〇%伸びた」と言わずに、「〇〇ポイント伸びた」と言いますので、覚えておいてください。

 

次回はさらに小さく落とし込み、アイテム別分析を紹介していきます。

 

 

データ出典:KSP-POS

分析講座 第2回 市場POSデータ分析:初級①

今回から、市場POSデータを活用した分析の基本を説明していきます。

まず、POSデータ分析の基本は以下の2つです。

①数字そのものよりも、比較することで違いに着目する。

②大きいものから小さいものへ落とし込んでいく。

 

まず、「①数字そのものよりも、比較することで違いに着目する。」を見ていきましょう。比較する項目は様々ありますが、最も多いのは期間の比較です。「前期比5%アップした」という表現は、記事などでもよく目にしますね。

次に、競合との比較も多いですね。競合とは、競合商品のことだけでなく、カテゴリーやメーカーなど様々あります。

以下はアウトプットイメージです。

 

 

左のグラフは、カテゴリー別の販売金額の大きさを比較したものです。メーカーやアイテム比較では割合を「シェア」というのが一般的ですが、カテゴリーの割合は「構成比」というのが一般的です。

 

右のグラフは、販売金額の増減率です。100%を基準として、100%を超えていれば比較期間より伸びている、100%未満であれば比較期間より落ち込んでいることになります。

 

次回は、こちらの2つのグラフの見方について、もう少し詳しく説明していきます。

 

 

データ出典:KSP-POS