2025年 9月 の投稿一覧

「売れる兆し」はここにある!POSと店頭調査で見抜く新カテゴリーチャンス

新たなカテゴリーへの参入を検討する際、「他カテゴリーの事例」を参考にすることは非常に効果的です。
本記事では、主な情報源として活用できる 「POSデータ」 と 「店頭調査」 の活用方法をご紹介します。

 

 

 

【POSデータ】

まずは、POS(販売データ)を活用して成長しているカテゴリーの傾向を掴みましょう。

例として、調味料カテゴリーを見てみると、近年チューブタイプの商品の販売が増加しています。
この背景には、「簡便ニーズの高まり」や「共働き世帯による時短志向」といった生活スタイルの変化があると考えられます。
このようなデータをもとに、現行商品ラインアップに加えてチューブタイプを投入すれば、
“既存商品の派生”ではなく、“新カテゴリーへの参入”という戦略が成り立ちます。

 

【店頭調査の活用】

次に、複数のチェーンで定期的な店頭調査を行うことも非常に重要です。

以下のような視点で観察すると、新しい発見が得られます。
・取扱い商品が増えているのはどの商品か
・カテゴリーごとの陳列商品数はどう変化しているか
・実際に手に取っているお客様の性別・年代など(定性情報)

こうした情報は、現場に即した“生きたデータ”として、戦略立案に活用できます。

 

新しい市場やカテゴリーチャンスを見つけるには、POSと店頭の両面からじっくり分析する時間と視点が必要です。
今回ご紹介した方法が、新規カテゴリーへの参入や、皆さまの業績向上のヒントになれば幸いです。

 

「小さなシェア」でも勝てる!バイヤーを動かす“サブカテゴリー提案”の極意

「自社商品が属するカテゴリーは伸びているものの、
トップメーカーに比べて規模が小さく、提案の切り口が見つからない…」

 

本記事では、そのようなお悩みを持つ営業の方にお読みいただければと思います。

 

そんなときは、自社商品の特長に関連する商品・カテゴリーを集めて「サブカテゴリー」として括り直し、
トップメーカーの提案と比較・差別化する方法をおすすめします。

例えば、自社商品の強みが「フレーバー」や「容器形態」にある場合、
以下のような切り口で独自のサブカテゴリーを設けてみましょう

   ・フレーバー別:プレーン/スモーク/ペッパー/明太子/その他
   ・容器形態別:パウチ/個包装/カップ/チューブ/瓶/その他容器

このようにカテゴライズすることで、他メーカーが見逃している視点からの提案が可能となり、
バイヤーにとっても新鮮で価値ある情報になります。

 

加えて、自社商品の属するカテゴリーにとらわれず、他部門の動向にも目を向けることが重要です。
意外なヒントが見つかるかもしれません。

 

例:和日配の〇〇カテゴリーで「明太子フレーバー」が伸長
個包装商品は部門を問わず好調。自社商品の特長と一致する

 

自社商品が有利になる切り口を見つけ、理解しやすい形でバイヤーに伝えることが、提案成功のカギです。
市場全体の数字では勝てなくても、自社商品にしかない価値を示すことで、
高シェアメーカーとは違った“角度”からバイヤーを動かすことができます。

 

ぜひ、自社商品の強みを活かしたサブカテゴリー提案を、ご検討ください。

また、サブカテゴリ―提案に伴う、留意点については、別の記事でご説明させて頂きます。

 

トレンド分析は“期間設定”で説得力が変わる!

先述の記事において、トレンド分析の期間を5年とお伝えしました
この記事では、期間設定を「状況に応じて変える」事で、更に効果的にトレンド分析を行える事、ご紹介して参ります。

 

 

短期間で動きの大きいモノについては、短期間のトレンド分析で示す。

 

例として、2022年に大流行した、ヤクルト1000を例にご紹介します。
2021年10月 – 店頭販売用の「Y1000」が全国発売
2022年    – 大流行となり、店頭欠品が頻繁にみられる状況となる
2023年以降 – 生産体制を整え、供給量増加したため、大幅伸長

 

ヤクルト1000 金額推移

 

短期間で動きが大きい商品については、5年間ではなく、
比較的短期間で示す事で相手に分かりやすく伝える事ができます。

 

一方、先述の記事では、緩やかに変化するカテゴリーについて触れており、以下の考えでお示ししました。
・安定したカテゴリーの場合は、5年など比較的長期のデータを示し、中期的な売場戦略につなげて頂く
安定したカテゴリーの場合、年ごとの変化量が少なく、インパクトに欠けます。
そこで、「5年」と長期的な期間を示す事で、変化量をある程度大きく見せます。
結果、説得力を高めて、しっかりと相手に伝える事ができます。

 

上記、いかがでしたでしょうか。
ご自身で納得された資料をお出ししないと、相手も納得されないと思います。
提示するデータの期間は、色々と試行錯誤されると思いますので、本記事がひとつの指針となれば幸いです。

 

賞味期限間近を“価値”に変える工夫

店舗運営において悩ましい課題のひとつが「賞味期限間近の商品」の扱いです。値引きをして売り切るのが一般的な方法ですが、実際にそれらの商品はどの程度売れているのでしょうか。

あるスーパーマーケットのデータを分析したところ、賞味期限が当日の商品に対して30%以上の値引きを行った場合、おおむねその日のうちに売り切れる傾向が見られました。特に、パンや惣菜、弁当などの即食性の高い商品は、値引き効果が顕著に表れます。中には、値引きシールを貼ってから1時間以内に売れてしまう商品もあるほどです。

一方で、缶詰や調味料、乾物などの長期保存が可能な商品では、たとえ賞味期限が近づいていても、消費者の購入意欲はそれほど高くないという結果も出ています。これらは「今すぐ食べる」ことが前提になっていないため、消費者も期限に敏感になる傾向があるようです。

また、興味深いのは「値引きの見せ方」によって売れ行きが左右される点です。例えば、単に「30%引き」とするよりも、「本日限り」「賞味期限間近でお買い得!」といったポップを添えることで、売上が1.2倍〜1.5倍に伸びるケースが確認されました。

賞味期限間近の商品をどう売り切るかは、廃棄ロスを減らすうえでも重要なテーマです。POSデータをもとに、どの商品がどのタイミングで、どれくらいの値引きで売れるかを把握することで、より効率的な在庫管理と販売戦略を立てることが可能になります。データを活用すれば、“もったいない”を“売れるチャンス”に変えることができるのです。

「ひと目で伝わる!折れ線グラフの色づかいテクニック」

リモートワークが増える中、オンラインでバイヤーと商談する機会も増えている事と思います。

画面上でも、ひと目で伝わるように、折れ線グラフの色づかいを工夫する方法についてお伝えしていきます。

 

まずみなさまにお聞きしたいのですが、
下の2つのグラフにおいて、「コーヒー飲料」「炭酸飲料」をバイヤーに見てもらいたいとき、
どちらのグラフの方が目にとまりやすいでしょうか。

グラフ1

 

グラフ2

 

 

おそらく、多くの方がグラフ1の方かと思います。
伝える必要のないところを目立たせない様にすることに加えて、
伝えたいところを目立たせる色使い、画像の活用に取り組んでみましょう。

 

以下の方法を参考に、ぜひ試してみてください。

 

折れ線グラフの加工方法(Excel)

*Microsoft365の場合。その他のソフトでは操作方法が異なる場合があります。

 

最初は以下のようにグラフができます。

 

まずは「データラベル」を出していきましょう。

手順:数値を表示させたい点を選択・右クリック⇒「データラベルの追加」を2回続けて選択

 

↓ひとつずつ設定すると、以下のようになります。

 

 

次に不要な「縦軸」を消しましょう。
手順:「縦軸の数値をクリック」⇒「Delete」ボタンで削除

 

↓以下のようになります。

 

次に色使いです。

手順:「折れ線ごとに選択・右クリック」⇒「塗つぶし・枠線」ボタンで色を選択
     ⇒ここではコーヒー飲料を茶色、炭酸飲料を青色、その他をグレーで設定

↓以下のようになります。

 

仕上げに「フォントの大きさ」「枠線の太さ」「画像貼付」を設定して完成です!