分析講座 第13回 市場POSデータ分析:初級⑫

今回は、週次のトレンド分析について、前回とは違ったアウトプットを紹介していきます。

 

2022年に入っても新型コロナウイルスは終息していませんが、それに加えてロシアのウクライナ侵攻も影響し、原価高騰などにより多くの商品が値上げされています。

 

 

以下は、2022年3月から値上げされた商品の状況です。

 

 

2022年のように、ほとんどの商品が値上げされる状況では、値上げの影響で棚からカットされる可能性は低いため、見るべき指標を絞り込んだほうが、アウトプットは分かりやすくなります。

上記の商品は、3月からの値上げを発表していましたが、3月初週から徐々に平均価格が上がっていき、4月下旬にほとんどの店舗で価格改定が完了した様子がうかがえます。平均価格が上がっていく中でも、1店舗あたりの販売数量は同水準で推移しており、値上げによる販売減は起こっていません。少なくてもこの時点では、値上げによる販売への影響は見られないと言うことができるのではないでしょうか。

 

月次や週次でデータを見るとデータ量がどうしても多くなり、見る側からするとどこを見てよいのかわかりづらくなりますので、指標を絞り込んで、ポイントを見やすくする工夫も大切です。

ただし、今回の例は季節性がない商品でしたが、季節性のある商品であれば、前年比もチェックする必要がありますので、注意してください。

 

次回からは、違った切り口でのPOSデータ分析を紹介していきます。

 

データ出典:KSP-POS

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