POSデータを分析していると、思いもよらない商品が売れ筋になっていることに気づくことがあります。今回は、そうした「意外な人気商品」についてお話しします。

あるスーパーのPOSデータを分析した際、特定の即席スープが予想以上に売れていることがわかりました。このスープは特に広告が打たれているわけでもなく、棚の目立つ場所に置かれていたわけでもありません。しかし、販売数を詳しく調べると、特定の時間帯に集中して売れていることが判明しました。そこで、レシートデータと照合したところ、同じ時間帯にパンやサラダを購入しているお客様が多いことがわかりました。これは、昼食需要の高まりと関係していると考えられます。

また、別の店舗では、ある地域でのみ「小さなボトル入りの醤油」が売れ続けていました。通常サイズの醤油よりも割高であるにもかかわらず、なぜ売れているのか不思議に思い、購入者層を分析してみました。すると、この店舗の近くには単身者向けの賃貸物件が多く、小さなサイズの醤油の需要が高いことがわかりました。単身者にとっては、醤油を大きなボトルで購入すると使い切れずに余ってしまうため、少量サイズの方が便利だったのです。

このように、POSデータの分析によって、通常の売れ筋ランキングでは見えにくい「隠れた人気商品」を見つけることができます。そして、その背景には必ず顧客の生活スタイルや購買行動が関係しています。データをもとに消費者の行動を読み解くことで、新たな売上向上のヒントが見つかるかもしれません。