1店舗あたり平均扱いアイテム数

分析講座 第19回 市場POSデータ分析:中級⑤

今回も1店舗あたりの平均扱いアイテム数について、見ていきましょう。
1店舗あたりの平均扱いアイテム数の公式は、「該当カテゴリー全体アイテムの販売店率の合計÷100%」でしたね。

 

 

では、この指標を期間合計で計算する場合は、どうしたら良いでしょう?

期間合計で算出する場合も計算は簡単です。「期間別の該当カテゴリー全体アイテムの販売店率の合計÷(100%×期間数)」で計算するだけで算出できます。

例えば、2022年3-8月のカレー・シチューカテゴリーの1店舗あたりの平均扱いアイテム数を月次データから計算するは、「2022年3月から8月の月別販売店率の合計÷600%(100%×6か月)」となります。

前年同期と比較したアウトプットイメージです。

 

 

カレールー・カレー粉が56.7から55.7アイテムの1アイテム減、調理済みカレーが94.6から93.1の1.5アイテム減が、合計の扱いアイテム数の減少につながっていることがわかります。

 

あまり知られていない指標ですが、いかがだったでしょうか。

次回は、中級編の最後として、別のデータ指標を紹介します。

 

データ出典:KSP-POS

分析講座 第18回 市場POSデータ分析:中級④

前回ご紹介した、1店舗あたりの平均扱いアイテム数の計算方法の根拠を説明していきます。

 

今回は、「計算式の意味がわからないと気持ち悪い!」と思う方向けの説明ですので、指標を活用するだけであれば、「該当カテゴリー全体アイテムの販売店率の合計÷100%」を覚えておけば大丈夫です。

では、以下の例で考えてみましょう。

 

 

店舗X・Y・Zともに2アイテム品揃えしていますので、1店舗あたりの平均扱いアイテム数は、2アイテムと計算しなくてもわかると思います。計算式にすると(店舗Z:2アイテム+店舗Y:2アイテム+店舗Z:2アイテム=6アイテム)÷3店舗=2となります。

 

この例のアイテムA・B・Cの販売店率を計算すると、アイテムAはX・Y・Zの3店舗で扱いがあるので100%、アイテムBはXの1店舗なので33.3%、アイテムCはY・Zの2店舗ですので66.7%ですね。

 

1店舗あたりの平均扱いアイテム数は公式にあてはめると、当然「2アイテム」になります。

(100%+33.3%+66.7%)÷100%=2.0

(3/3+1/3+2/3)÷3=2.0

 

公式の「該当カテゴリー全体アイテムの販売店率の合計÷100%」の分子にあたる「販売店率の合計」というのは、表の「〇」の数を合計していることと同じで、分母にあたる「100%」は店舗数で割っているだけ、ということになります。
「ちょっとわからない。」という方も、あまり気にせず、公式に当てはめて、この指標を活用してみてください。

 

次回も1店舗あたりの平均扱いアイテム数について、応用的な使い方を紹介していきます。

 

データ出典:KSP-POS

分析講座 第17回 市場POSデータ分析:中級③

今回は、1店舗あたりの平均扱いアイテム数という指標の説明をしていきます。

 

あまり知られていない指標ですが、市場POSデータで算出することができ、小売りへの棚割り提案にも活用できる指標です。1店舗あたりの平均扱いアイテム数は、名前のとおり、該当カテゴリーが小売り1店舗で平均何アイテム品揃えされているのかがわかる指標です。

 

 

上記から、2022年10月カレー・シチュー関連カテゴリーは1店舗あたり平均約170アイテムが品揃えされていますが、前年と比較すると約5アイテム減少しています。カテゴリー別に見ると、5アイテムの減少は調理済みカレーの影響であることがわかりますね。

 

では、1店舗あたりの平均扱いアイテム数の指標はどうやって計算するのかというと、下記で算出できます。

該当カテゴリー全体アイテムの販売店率の合計÷100% 

 

あるカテゴリーでは、3アイテムしか存在しておらず、それぞれのアイテムの販売店率が

アイテムA:100%、アイテムB:50%、アイテムC:50%

だとすると、(100%+50%+50%)÷100%=2.0で、平均扱いアイテム数は2アイテムということになります。

 

計算自体は、全アイテムの販売店率を合計すれば良いだけなので、比較的簡単に計算できると思いますが、なぜこの計算で扱いアイテム数がわかるのか疑問に思う方もいらっしゃると思いますので、次回はこの計算の仕組みについて、説明してきます。

 

データ出典:KSP-POS