バイヤー商談に勝つ

大容量シフトが招く売上高減少リスク ~オリーブオイル市場の警鐘~

本記事では、オリーブオイル市場における「急激な大容量の伸長」によって、
売上高にどのような影響を与えているか解説していきたいと思います。

数値を見ますと、平均単価が前年割れ、数量増減率が若干の前年割れのため、金額増減率が大きく前年を割っています。
次は商品別データも参照していきます。

水色網掛け「600g 以上」の大容量が、金額・数量共に大きく伸長しています。
一方で、300~450g前後の真ん中の容量帯は苦戦しており、大半が金額・数量共に前年割れです。

消費者の動きに言い換えますと、これまで300gを2本買っていたお客様が、600g1本に切り替えた…といった事象が起きている様です。

大容量は「ユニットプライス」がお得な傾向にあるので、これでは数量も減り、売上高も減ってしまいます(大幅に消費量が増えない限り)
更に、平均単価は商品問わずに、大きく前年よりも下がっています。価格高騰が落ち着き、原料自体が値下がり傾向にあるかもしれません。

このまま「大容量」の伸長を維持・加速させると…先行きが不安ですね。。

攻めどころとしては、「ユニットプライスの下落を抑える」点にあります。
次の記事では、具体策について触れていきます。

ユニットプライスを引き上げ、売上利益拡大を図る

バイヤーとの商談の場で、この様な話を聞くことは無いでしょうか。
「価格改定が進む中で、容量が少なく単価が安い商品が売れる傾向にある」

 

先述の記事にて、平均価格を切り口にした提案で、単価アップの重要性を掲載させて頂きました。
容量が少ない商品は単価が低い事が多く、先述の記事とは逆の行動(単価を下げる)となりますが、
こちらも売上拡大に非常に効果的です。

その理由は「ユニットプライス」にあります。
今回は「ユニットプライス」に注目して、ご紹介したいと思います。

 

概して、大容量は「高単価・低ユニットプライス」である一方で
「小容量」は「低単価・高ユニットプライス」である事が多いです。

高い「ユニットプライス」は、「消費者の1食あたり消費額」を引き上げる事に寄与します。
結果、小売業・食品メーカーにとって売上・利益拡大につながります。

仮に、大容量から小容量に消費量が置き換わることを試算してみてください。
それだけ、売上利益が拡大するはずです。

 

次の記事から、ユニットプライスの安い大容量シフトが招くリスク、
そしてユニットプライスの高い商品について、具体的な事例を基にご紹介していきます。

月次・週次の季節指数の使い分け

以前の記事では、月次・週次の季節指数を用いた、提案時期の検討方法について、ご紹介しました。

本記事では、この2つの季節指数をどの様に使い分けるのか、詳しくご紹介していきます。

 

まず、使い分けの大きなイメージは以下2点です。

月次指数     「どの月に力を入れるか?」を決めるための 年間設計に用いる
週次指数     「どの週に仕掛けるか?」を決めるための 実行計画に用いる

それぞれについて、特徴、用途をより具体的にご説明します。

 

① 月次季節指数
特徴:月単位の需要変動(季節要因・年間イベント影響)が分かる
用途:月別の販促提案に活用できる
生産計画において、生産数量・在庫配分の大枠を決める事に役立つ

 

② 週次季節指数
特徴:1か月の中でも「山・谷」を把握可能となる。
用途:販促タイミングを精緻に意思決定でき、需要の山に合わせたチラシ・キャンペーン展開に活用
週別の出荷数量見込を精査する事ができ、生産計画を精緻に策定する事に寄与する。

 

量販店の方は、基本的に指数が高まる商品を、その時々で売り込みます(売上利益最大化が図れるため)。
皆さまの商品が、適切なタイミングでしっかりと拡売され、
得意先の評価が上がる事を願っております。
日々の商談に活かして頂ければ幸いです。

季節指数を活用した提案時期の検討

同じ提案でも、適切な時期に実施すれば、成果が最大化できます。
季節指数を参考にして、最適な販促タイミングを検討しましょう。

今回は、月次・週次データを用いて季節指数を算出し、最適な販促タイミングを探索していきます。
季節指数の計算式は、以下の通りです。

    ① 季節指数(月別)= 月別の数値 ÷ 全体平均(1-12月) × 100
    ② 季節指数(週別)= 週別の数値 ÷ 全体平均(1-53週) × 100
※季節指数が100以上なら、その月・週は平均より高く、100未満なら低いことを意味します。

 

今回は、ケーキ用マーガリン 季節指数を月別・週別で見ていきます。

2月、12月の季節指数が高い事が分かります。
※算出根拠(例):(2月 季節指数) 245 = (2月 金額) 5,949千円 ÷ (全体平均(1-12月)) 2,431千円

 

週別にみると、1月3週目から季節指数が上昇傾向にあります。
※算出根拠(例):(2/12週 季節指数) 460 = (2/12週 金額) 2,532千円 ÷ (全体平均(1-53週)) 550千円

※期間:2024年1-12月、 細分類「マーガリン・ファットスプレッド類」対象商品:COOP ケーキ用マーガリン食塩不使用100g×2、雪印メグミルク ケーキ用マーガリン100g×2、明治 ケーキマーガリン 100g×2

 

上記グラフより、ケーキ用マーガリンは1月3-4週には売場展開しておくべきと考えられます。

効果的な時期を見つけ、売上利益最大化を目指しましょう。

得意先から強い条件要請をされたときの対処法

商談相手(バイヤー、卸売担当者など)から「足元で利益が大変厳しく、来月だけ協賛金が欲しい。
できないなら、他社含め取引を見直すことになる」と強い要請を受けたご経験はありませんか?
今回は、双方が良好な取引関係で妥結するための提案手法をご紹介します。

 

ポイントは以下2点です。
① 商談相手に、こちらも見返りとして大きい取引額を求める ⇒ 費用率を抑える事を目指す。
② 高利益商材について、取引額拡大を要望する ⇒ 利益率も下げない努力をする。

 

まず①についてです。

例)商談相手が要望する協賛金を「10万円」、A商品1ヶ月あたり納品金額を「100万円」とします

費用率は、以下の通りです。

10%(費用率) = 10万(費用) ÷ 100万(1か月あたり納品金額)

納品金額を増やせば、費用率が抑えられます。商品の新規導入や、特売獲得を図りましょう。

この時、「POS」を活用して、商品の販売力も伝えると説得力が増します。

 

次に②についてです。

提示する見返りが、自社に取って薄利であると今後の課題になってしまいます。

利益率にも注意を払い、提案をしましょう。

 

上記、当初の提案通りにいくことは難しく、お互いの妥協点を探す交渉が続くと思いますが、
この様な厳しいやり取りの中だからこそ、得意先に関する情報を多々得る事ができます。
情報は、今後の商談に活かす事ができます。
是非、粘り強く商談に望んで頂ければと思います。

売上好調カテゴリーにおける、平均価格を切り口とした提案

得意先の売上高・数量が伸びていても、平均価格が下がっている場合、
過剰な値下げによる利益率悪化になっていないでしょうか。
昨今ではインフレ傾向にある中、無駄な値下げを行っていないか、注視する必要があります。

 

ここでは、オリーブオイルの事例を基に、ご説明していきます。

 

小分類「食用油」全体よりも、金額増減率が上回っており、足元では好調と言えますが、
平均価格が大きく下がっています。
次にオリーブオイルの商品別データから、平均価格を下げている商品を見ていきます。

 

「CGC コルドリーヴァオリーブオイルEXV」2品、
「日清オイリオ やさしーく香るEXVオリーブオイル PET 350g」が
平均価格増減率▲22~▲26%と大きく平均価格を下げています。

 

オリーブオイルの価格改定が一巡、かつ相場が下がっているものの、非効率な値下げを
行っていないか、注視すべきです。特売価格の見直し、
定番品揃えの見直しを行い、利益率改善を提案してまいりましょう。

売上好調カテゴリーの細分化(ドリルダウン)で不振カテゴリーを見出す

売上好調カテゴリーだからといって、全ての商品が順調とは限りません。
細分化(小分類・容量別・フレーバー別・SKU別など)して数値を把握することで、
全体の中に潜む不振要因を探索していきましょう。
単なる「好調」の裏に隠れた、伸びしろのあるサブカテゴリーを把握できるかもしれません。

今回は「マーガリン・ファットスプレッド類」の事例をご紹介します。
以下、小分類「乳製品」の細分類別数値です。
「マーガリン・ファットスプレッド類」の金額増減率は、全体を上回り好調です。

 

 

次に「容量(大・中・小)」に細分化してみます。
※容量別の基準については、抽出後に独自に作成して付与しています。
小容量が全体の増減率を下回っている事がわかりました。

では、小容量(〜100g未満)SKU別データを見てみましょう。

 

 

 

 

 

「明治 チューブでバター1/3ガーリック」以外、小容量全体を押し下げています。
分析結果は、得意先の販促組み換え・定番差替の根拠にして、売上利益拡大につなげましょう。

“売れてるから大丈夫”は危険信号?平均単価で課題発見を

売上が好調なカテゴリーを持つ得意先に対して、自社商品を提案したい。

しかし「すでにうまくいっている」ように見える相手に、どこに課題を見つけ出し、効果的な提案すれば良いか分からない…

 

本記事では、こうしたお悩みに対して「平均単価」という視点から、アプローチする方法をご紹介します。

 

 

本記事を執筆している2025年6月現在、社会全体でインフレ傾向が強まっており、
多くのモノやサービスの値段が上昇しています。

この様な状況下で、仮に「平均単価を下げて数字を伸ばしている」得意先であれば、
それは一時的な売上増加にとどまっている可能性があります。
というのも、インフレ環境下においては、メーカー側の価格改定も頻繁に発生しており、
単価を下げる余地が非常に限られてくるためです。

 

こうした背景を踏まえると、以下のような提案が有効です。

平均単価が下がっている得意先様には…>
単価を上げながらも売上を維持・拡大できるような提案を検討しましょう。
たとえば、付加価値のあるプレミアム商品やセット販売などが考えられます。

 

<平均単価が上がりすぎている得意先様には…>
価格改定に乗じて、上げすぎてしまい、競合に負けてはいないか…という面でも見てみましょう。

 

いかがでしたでしょうか。
今回は「平均単価の変化」に注目する提案手法をご紹介しました。

もちろん、他にも売上の中身を読み解くための切り口は多数存在します。
今後の記事で順次ご紹介していきますので、ぜひご参考ください。

 

資料づくりに即効!安心・無償で使えるトレンド情報

 消費者動向を先方に示したいが、メディアの情報は使用許可が必要で使いにくい…

 

 

その様なお悩みを持たれる方に、「Googleトレンド」の利用も一案です。

このサービスはGoogle検索のトレンドをグラフで確認できるので、生活者の興味の高まりを把握するのに有効です。
Googleトレンドのご利用については、貴社内でご判断ください。

例えば「ヤクルト1000」の検索推移を見ると、以前は検索数が急増していたものの、
現在は落ち着いており、トレンドが収束していることが分かります。

 

一方、KSP-POSでは売上が引き続き拡大しており、特に6本パックの需要が急増。
これは商品が日常的に使われるようになり、検索しなくても購入される段階に来たことを示しています。
この状況から、新規ユーザー獲得(トライアル促進)が次の課題であり、提案の切り口になるのではないでしょうか。

 

 

トレンド分析を行うカテゴリーの粒度

目的によって、カテゴリーの粒度(細かさ)は変わってきます。
お悩みにでそうな事例を、いくつか挙げていこうと思います。

 

 

棚割スペース拡大を図り、自社商品の導入スペースを確保したい

たとえば、販売好調な自社商品の定番導入を目指す場合、
同一カテゴリー内で差し替えを狙うには、まだ販売実績が十分でない…というケースもあるでしょう。

その際には、不調な“別カテゴリー”を縮小し、自社商品が属するカテゴリーの棚スペースを拡大する、という方法も有効です。
このアプローチに向けては、自社商品の属するカテゴリーと、同レベルにある他カテゴリーの規模や
トレンドを比較・分析するのがポイントです。

 

新商品や小規模カテゴリーの場合の対処法:サブカテゴリーを作る

ただし、自社商品が属するカテゴリーが小さく、棚割スペースも極端に小さい場合や、
新たなカテゴリーを立ち上げたい新商品の場合、上記の方法は使いづらいことがあります。

そのような時は、「サブカテゴリー」を自ら作成することをおすすめします。作成時には、留意すべき点が2点あると思います。
・商談相手(バイヤー、卸営業など)が理解できるか、違和感を持たないかという点
「漏れ」なく括りを作ること。必ず「その他」を作る事で対処すること。

 

作成時の留意点は次の2つです。

  • 商談相手(BY、特約店営業)が理解できるか、違和感を持たないかという点
    事前に相手の考えを伺い、参考にして受け入れられうるカテゴライズを検討しましょう。
    商談時には、サブカテゴリ―に含めた商品の一覧も持参して、質問に備える事をオススメします。
  • 「漏れ」なく括りを作ること。必ず「その他」を作る事で対処すること
    いくつか例を挙げます。
    フレーバー別分類:プレーン、スモーク、ペッパー、その他
    容器形態別分類:パウチ、個包装、カップ、チューブ、その他容器

 

「その他」に入るデータが少量であっても、見る側にとっては「網羅的に考えられている」
ことが伝わり、資料の信頼性向上に繋がります。
サブカテゴリーの設計は、導入提案における“見せ方の技術”とも言えます。

 

ご提案活動の中に、ぜひ取り入れてみてください。