分析講座 第30回 市場POSデータ分析:上級⑤

今回から「店別日次データ」を活用した価格分析を紹介していきます。

 

価格分析において、一般的な平均価格ではなく、店別日次データがなぜ必要なのか、という点については、前回の第29回で説明していますので、そちらをご覧ください。

 

 

上記は、黒色の折れ線グラフが一般的な平均価格、棒グラフが店別日次データによる価格帯別出現構成比の推移で
す。販売構成比ではなく、出現構成比ですので、注意してください。

このアイテムは前期の3月と当期の4月に値上げ発表があり、実際に店頭でも値上げが実施されています。当期の値上げに注目すると、値上げ後の平均価格が週により320円から360円で推移しており、週によりバラツキがありますが、価格帯出現構成比で見ると、361円以上(青色系)の構成比が増加していることがわかります。

 

平均価格だけ見ていると、値上げ後も店頭では340円から360円程度で販売されているように誤解が生じてしまいますが、実際はそうではないことが、店別日次データの積み上げによるデータではわかりますね。

 

今回は価格の出現だけ見ましたが、POSデータですので、当然販売の状況も同時に見ていく必要があります。次回は、販売の状況を見ていきます。

 

 

データ出典:KSP-POS

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