金額/店

分析講座 第24回 小売店POSデータ分析④

今回も引き続き、アイテム分析の方法を見ていきます。

 

小売店POSデータと市場POSデータの最も違う点の1つは、小売店POSデータでは、店舗別のデータまで見ることができることです。

 

前回は、1店舗あたりの売上が高いのに、全店舗で配荷されていない状況を見ました。
その際は、店舗別にデータを見て、具体的にどの店舗では配荷されていないのかをチェックすることで、「〇〇店と〇〇店ではこの商品が現在販売されていないですが、この商品は置けば他の商品より売れることがデータから明確です。」と提案することができますね。

 

 

資料に今後配荷すべき店舗が書いていれば、小売店のバイヤーも提案内容を忘れずに、実行してもらえる確率が高まります。

 

次回は小売店POSデータ分析の最終回として、アイテム分析のもう一つのパターンをご紹介します。

 

 

データ出典:KSP-POS

分析講座 第23回 小売店POSデータ分析③

今回は、前回の分析の続きで、小売店POSデータのアイテム分析のアウトプットをご紹介します。

 

以下はチェーンAのコーヒー飲料のアイテムランキングTOP15です。

 

売上上位アイテムのほとんどが前期比プラスですが、7位と13位のアイテムだけが前期比マイナスになっています。この2つのアイテムについて、右から2つ目の指標である「実績店数」に注目してください。チェーンAは50店舗を展開していますが、上位アイテムのほとんどが45店舗以上で販売されています。

 

ただし、アイテム7とアイテム13は30店舗前後でしか実績がありません。
さらに注目すべきは、一番右の指標である金額/店です。アイテム7と13の1店舗あたりの金額は、5位以下のアイテムより高い数値になっている、つまり、販売すれば他の上位アイテムより売れるということができます。

 

もし、メーカーが小売店に提案する際、自社商品がアイテム7や13のように、1店舗あたりの売上は高いのに全店舗で配荷されていない状況であれば、自信を持って小売店に品揃えを提案することができますね。

 

 

次回も小売店POSデータのアイテム分析の方法を見ていきます。

 

データ出典:KSP-POS

ワード解説 金額/店

金額/店は販売店1店あたりの金額を表わし、金額 ÷ 販売店舗数 で算出できます。

各小売店の規模には差があるので、平均的に1店舗で売れた金額ということができます。

数量/店が低くても、販売単価が高く金額/店が高い場合は、全体の売上に貢献していると言うことができます。金額/店と数量/店はケースによって使い分けることで、有効に商品力を伝えることができます。