数量/店

分析講座 第28回 市場POSデータ分析:上級③

今回は日次データ分析を紹介していきます。

 

POSデータを分析する大きな目的の一つは、現状を把握し、必要に応じて対策を立案し、実行につなげることです。

 

特に、新商品の発売や、価格改定、大規模なプロモーションを行った時は、できるだけ早く売り上げ状況を把握することが大切です。その際には、週次データより早く結果を把握できる日次データを活用することが有効です。

上記のグラフは、前年から存在するアイテムですが、価格改定して平均価格が前年より高いレベルで推移しています。

しかし、直近になってくると平均価格の差が前年と同水準になっている日が多く、これが意図的なものでなければ、今後平均価格がどのように推移していくかは、注視していく必要があります。

 

データ出典:KSP-POS

ワード解説 数量/店

数量/店は販売店1店あたりの数量を表わし、数量 ÷ 販売店舗数 で算出できます。

実際に販売があった小売店での回転状況を表わします。

各小売店の規模には差があるので、平均的に1店舗で売れた数量ということができます。

売上を上げるには商品の回転を上げることが重要で、商品力を見る時に有効な指標です。販売店率は低くても、数量/店が多ければ、配荷すれば他商品より売れる可能性があると言う事ができ、商談に活用することができます。

商談では実感と合っていてわかりやすいということで、週販(1週当たりの数量/店)を使うケースもあります。

分析講座 第12回 市場POSデータ分析:初級⑪

前回に引き続き、今回もトレンド分析の方法を紹介していきます。

 

前回は月次のトレンド分析でしたが、より細かな動きを見る場合は、週次でトレンドを見ていきます。特に新商品発売時は、販売の推移を見るだけでなく、以前に紹介した販売店率・1店あたりの販売個数・平均価格に分けることにより、課題が発見しやすくなります。

 

 

以下は、2022年2月に発売されたある新商品の推移です(2月7日週は一部店舗で先行販売)。

 

 

販売店率は発売週から70%を超え、4月には80%近くになり、順調に配荷が進んでいることがわかります。

1店あたり販売数量は発売週が80個近くになり、その週の平均価格が低くなっていることから、発売時に多くの店舗でプロモーションを実施したことが考えられます。平均価格は4月から下がってきていますが、週販(数量/店)は20~30個で安定しており、価格を下げても販売増にはつながっていないため、販売価格の設定が今後の課題と考えられます。

 

 

今回は新商品の1アイテムのみでPOSデータを見ましたが、競合商品と比較して分析するとさらに発見があります。

 

 

次回も週次のトレンド分析を紹介していきます。

 

 

データ出典:KSP-POS