併売店分析

分析講座 第27回 市場POSデータ分析:上級②

今回も前回に引き続き、併売分析(併売店分析)を紹介していきます。

 

今回は、自社既存品とのカニバリゼーションを時系列で分析しています。

 

期間が時系列であっても、基本的に注目すべきポイントは、前回紹介した内容と同じです。しかし、新商品や期間限定品と比較する場合は、発売直後は既存品売上に影響があっても、しばらく経つとカニバリゼーションの度合いが減少するケースもありますので、時系列で分析することで誤解を防ぐことができます。

上のグラフを見ると、期間限定アイテムBとの併売店でも既存アイテムAの数量PIは落ち込んでおらず、カニバリゼーションは発生していないことがわかります。

 

期間限定品を発売しても、カニバリゼーションが発生しないことを、このような客観的データで小売店へ提示できると、期間限定品の採用率が高まることが期待できます。

 

併売分析(併売店分析)を行う注意点としては、併売していない店舗と併売店舗ともに、少なくとも10%の販売店率がある条件で比較する必要があることです。併売していない店舗が5%、併売店舗が95%の状況で比較しても、併売していない店舗のサンプル店舗数が少なすぎて、意味のある数字とは言えません。

 

 

*株式会社KSP-SPでは、本記事の併売分析(併売店分析)をスポット提供しております。ご興味のある方はお問合せください。(リンク先 https://www.ksp-sp.com/contact_us/

 

データ出典:KSP-POS

分析講座 第26回 市場POSデータ分析:上級①

今回から市場POSデータ分析の上級編として、通常の市場POSデータではできない分析方法を紹介していきます。

 

まず、最初に紹介するのは、併売分析です。

 

どのカテゴリーでも基本的に競合品が存在します。併売分析では、その競合品がどの程度、自社商品の売上に影響しているのかを把握することができます。また、他社商品だけでなく、自社が期間限定品などを発売することによって、既存品とのカニバリゼーションの状況を把握することも、製品戦略上、大切になってきます。

以下のグラフは、競合品の影響を分析した併売分析のアウトプットイメージです。

 

 

左の棒グラフは、自社アイテムAが品揃えされているが、競合品Bは品揃えされていない店舗、右の棒グラフは自社アイテムAと競合品Bが併売されている店舗で、数値は数量PIになっています。

 

自社アイテムAの数量PIは、競合品Bと併売していない店舗、併売店とも4.7~4.8個でほぼ同じ数値となっています。つまり競合品Bの販売の影響は、ほぼ受けていないということが言えます。商品のタイプから競合していると考えられる他社商品があっても、併売分析をしてみると、売上の影響はほとんど受けていない結果となることは良くありますので、一度分析してみてください。

 

*株式会社KSP-SPでは、本記事の併売分析(併売店分析)をスポット提供しております。ご興味のある方はお問合せください。(リンク先 https://www.ksp-sp.com/contact_us/

 

データ出典:KSP-POS