
今回から数回は、販売金額の要因を分析する指標である販売店率、1店舗あたりの販売数量、平均価格の説明をしていきます。
前提の知識として、小売における販売金額は、以下の要因に分解することができることを理解しておきましょう。
①販売金額=客数×客単価
②販売金額=販売店舗数×1店舗あたりの販売金額
③販売金額=販売数量×平均価格
①の客数×客単価の「客数」とは、ある店舗に来店したお客様の数、POSデータですので正確に表現すると、「レジを通過したお客様の数」です。来店したけど買い物をせずに帰ってしまったお客様の数は含まれません。「客単価」は、「顧客1人が1回の買い物で購入した金額の平均」です。
客数×客単価は小売店が常に意識していることですが、これは店舗全体の売上で分析する切り口です。アイテムAとアイテムBを比較する場合、それらのアイテムを置いている店舗の客数で比較するより、単純に置いている店舗数で比較する方がわかりやすいのは、以下の例でイメージできるでしょうか。
例)アイテムAはX店、Y店、Z店で販売している。アイテムBはX店のみで販売している。
よって、アイテムAの客数は、X店、Y店、Z店合計の3,300人、アイテムBの客数はX店の1,000人。
- 「アイテムAの客数は3,300人で、アイテムBの客数は1,000人」
- 「アイテムAは3店舗、アイテムBは1店舗で販売している」
2.の方がわかりやすいですよね。
イメージしやすい販売店舗数を表している指標が「販売店率」です。
次回は、販売店率を含めたPOSデータ分析でよく活用する分析方法を紹介していきます。
データ出典:KSP-POS