分析講座 第3回 市場POSデータ分析:初級②

今回は、前回紹介したグラフをもとに、データの見方について説明していきます。

 

データを見る際、増減率(伸び率)を見る場合は構成比とセットで分析することが大切であることを知っておいてください。

右のグラフの数値を見ると、嗜好飲料合計は97.0%と前期比(比較期間比)マイナスになっています。では、嗜好飲料のマイナスに寄与してしまったカテゴリーは何かと考えると、増減率(伸び率)だけを見ると、ココア90.8%、麦茶93.8%で減少率が大きくなっているため、ココアと麦茶の不調によって、嗜好飲料市場は落ち込んだと思ってしまいます。

 

しかし、このデータの見方は誤りですね。左のグラフの金額構成比を見ると、ココアと麦茶は嗜好飲料の中で非常に小さなカテゴリーであることがわかります。そのため、ココアと麦茶は増減率が小さくても嗜好飲料全体への影響は大きくありません。

 

嗜好飲料の中では、インスタントコーヒー、レギュラーコーヒー、日本茶の金額構成比が高いため、これらのカテゴリーが嗜好飲料全体の増減率への影響度が高くなります。増減率はインスタントコーヒーが96.4%、日本茶が95.7%となっており、この2つのカテゴリーによって、嗜好飲料がマイナスになったことがわかります。

 

このように増減率だけ見ていると、ミスリードすることがよくありますので、注意しましょう。

 

次回は、今回の次のステップとして行う分析を紹介していきます。

 

 

データ出典:KSP-POS

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