2023年 1月 の投稿一覧

ワード解説 金額構成比 (金額シェア)

金額構成比(%)は、金額 ÷ 金額計 で算出します。

カテゴリーやエリアなどの場合は金額構成比、メーカーや商品・ブランドなど競合関係にある場合は金額シェアと呼ぶことが多く、市場占有率と呼ぶこともあります。

カテゴリーやサブカテゴリーの構成比が拡大しているか、縮小しているかを見ることによって、今勢いのあるカテゴリーなのか、また今後チャンスがあるカテゴリーなのか、などの判断材料にすることができます。

一方シェアは、企業が提供する商品・サービスが、期間、エリア、商品カテゴリーなどの一定の市場の範囲内でどれくらいの販売金額の割合を占めているかを示す比率(パーセント)のことを指します。

例えば、カテゴリーの売上合計金額が1億円で、そのうち対象企業の売上金額が2,500万円だったとすると、金額シェアは25%になります。

また、シェアを見る時にはカテゴリー設定の切り口も重要な要素になります。例えば清涼飲料を分析する際、フレーバー別に見るのか、容器やサイズ別に見るのかによって、自社と競合の関係に差が出るので、慎重に設定する必要があります。

対象の企業や製品が、市場の中でどのくらいの重要度や影響力を持っているのかを表すことができるため、企業にとって重要な指標になります。また、市場におけるシェアが高いことは一つの宣伝材料にもつながるため、消費者にとっても商品を選択する基準項目の一つになる場合もあります。

構成比やシェアが拡大していても実数は減少している(或いはその逆)のケースもあるので、前年同期比など、伸長率と合わせてデータを読み取る必要があります。

分析講座 第16回 市場POSデータ分析:中級②

前回は、PI値とは配荷店の販売力の要因をできるだけ除去したデータ指標であることを伝え、終了しましたので、その続きを説明していきます。

 

以下のような状況の場合、数量PI値はいくつになるでしょうか。

 

 

PI値は、販売÷客数×1,000で計算しますので、

アイテムA=500個÷5,000人×1,000=100

アイテムB=1,000個÷50,000人×1,000=20

となりますね。

 

 

客数の条件を1,000人で合わせることにより、小売りの販売力の影響を除いた数値を算出することができます。
この例であれば、アイテムBよりアイテムAの方が品揃えすればよく売れる商品である、と言うことができますね。

 

上記の例は少し極端でしたので、現実的には1店舗あたりの販売とPI値で大きく変わるケースは多くありません。ですので、「絶対に1店舗あたりの販売よりPI値を使った方が良い」とまでは言えません。むしろ、1店舗あたりの販売のほうが具体的にイメージしやすいので、この指標を使うのが一般的です。

 

小売店などで、PI値を求められた場合は、PI値の内容を理解したうえで利用しましょう。

 

次回は、別のデータ指標を紹介します。

 

データ出典:KSP-POS

分析講座 第15回 市場POSデータ分析:中級①

今回から2回に分けて、PI値の紹介をしていきます。

PI値は小売店でよく使われているデータ指標ですので、利用している方は多いと思いますが、なぜPI値が分析に有効なデータ指標であるのかを理解している方は意外に少ないです。

 

まず、基本知識ですが、PI値とは客数1,000人あたりの販売で、金額ベースを金額PI値、数量ベースを数量PI値と言います。計算式は以下のとおりです。

金額PI値=販売金額÷客数×1,000

数量PI値=販売数量÷客数×1,000

 

PI値は、これまで紹介したデータ指標の中では、「1店舗あたりの販売」と同じ意味合いです。つまり、「商品を品揃えすれば、どれだけ売れるのか」を分析するためのデータ指標であり、商品力と販促力を示しています。

では、1店舗あたりの販売ではなく、なぜPI値を使うのでしょうか。PI値は、1店舗あたりの販売のデータ指標に含まれているあるバイアスを除去することができるのです。

以下の例を見てください。

 

1店あたり販売量を見ると、アイテムBが100個でアイテムAの50個より倍売れており、アイテムBの方が良く売れることになりますが、はたしてそうでしょうか。アイテムAは小型店で販売されているのに対し、アイテムBはGMSで販売されており、この2アイテムの売上の差は商品の力というより、小売店の販売力の差が要因として大きいと言えます。

1店あたりの販売のデータ指標には、配荷している小売店の販売力の要因が入ってしまっているのに対し、PI値は小売店の販売力の要因をできる限り除去したデータ指標であると言うことができます。

 

上記の例をPI値で見た場合、どのようになるのかは、次回見ていきましょう。

 

データ出典:KSP-POS