2023年の「エッグショック」による高騰から一旦の落ち着きを見せた卵価格ですが、2025年に入り再び上昇。飼料価格の高騰や鳥インフルエンザの再流行が重なり、12月にはついに過去最高値を更新しました。クリスマスや正月といった最需要期、店頭では何が起きていたのでしょうか。「KSP-POSデータ」から、その実態を読み解きます。
【全体動向】
- 11月に続き12月も「過去最高値」を塗り替える卵の平均価格は、2025年後半にかけて急速な右肩上がりを記録。
【平均価格】
- 2024年7月には197円まで下落したが、2025年に入り上昇に転じた。11月に過去最高の251円を記録すると、翌12月にはさらに256円まで続伸。2023年のピーク時(248円)を超える水準に達している。
出典:KSP-POS(食品SM、月次、全国)
- 6〜8月は前年との価格差が約48円と顕著だったが、11月以降は「昨年も上がり始めていた時期」との比較になるため、差は34円〜35円程度に留まっている。しかし、絶対値としての負担感は過去最大と推察される。
【数量/店】
・12月の「数量/店」は前年比94%まで下落。高値が消費者の購買意欲を抑制した様子が窺える。
出典:KSP-POS(食品SM、月次、全国)
【平均価格】
- 週次データで見ると、年末最終週(12月29日週)の平均価格は263円(前年比117%)に到達。おせち料理などの需要が重なり、一段と価格が押し上げられた。
出典:KSP-POS(DgS[食品]、週次、全国、速報店)
【数量/店】
- 数量/店の前年比は11月半ば以降93%まで下降した週もあり、買い控えが進んでいる状況が窺われる。
出典:KSP-POS(食品SM、週次、全国、速報店)
- 6個パックの構成比は前年の8.5%から10.3%に増加。
- 10個パックの割安感が薄れる中、「一度に払う金額(絶対額)」を抑えるために6個パックを選択するという、典型的な買い控え・節約志向の動きが顕著になっている。
【平均価格】
- 10個パックと6個パックの価格差は40円前後で推移。年末最終週(12月29日週)は共に価格が上昇。6個パックの方が上げ幅が大きく価格差は30円だった。
出典:KSP-POS(食品SM、月週次、全国、速報店)
【数量/店】
- 6個パックの数量/店の前年比は2025年最終週を除き2桁で推移した一方、10個パックは94%から101%で停滞。
出典:KSP-POS(食品SM、月週次、全国、速報店)
【平均価格】
- エリア別 10個パック平均価格(25/12/22~26/1/4)
北海道:299円(全国最高値)
首都圏・東海:272円
四国: 前年差+48円と、最も激しい上昇幅を記録
東北・北陸: 他エリアに比べ、価格・上昇幅ともに比較的緩やか
出典:KSP-POS(食品SM、週次、速報店) 期間:2025年12月22日~2026年1月4日
【首都圏】
- 首都圏では9月以降、前年差で50円以上の値上がりが続く週もあり、販売数量は84%〜86%まで落ち込む週が見られ、都市部における「卵離れ」が深刻化している状況が読み取れる。
出典:KSP-POS(食品SM、週次、速報店)
出典:KSP-POS(食品SM、週次、速報店)
【数量/店】
出典:KSP-POS(食品SM、週次、速報店)
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卵の価格高騰は、単なる一時的な供給不足(鳥インフルエンザ)だけではなく、円安に伴う飼料価格の上昇や物流コストの増加といった構造的な問題を抱えています。かつて「物価の優等生」の代名詞だった卵ですが、今回の過去最高値更新は、それが過去のものであることを物語っています。鳥インフルエンザの収束により一定の落ち着きは期待できるものの、生産コストの増大を考慮すれば、卵の価格水準は、今後高止まりする傾向にあると推察されます。













