「物価の優等生」は過去?価格高騰と深刻化する卵不足を「KSP-POS」から検証する

日本国民1人あたりの卵の消費量は世界で2番目。物価の優等生とも言われている卵の値上がりが止まりません。飼料価格の高騰に加え、鳥インフルエンザの感染拡大も重なり鶏卵の確保が追い付かず、外食産業では卵商品の販売休止が相次いでいます。

 

KSP-POS週次データから、食品スーパーにおける卵の販売状況を確認してみましょう。

 

  • 卵の平均価格は2023年3月6日週に前週から8円、前年から69円の上昇で、前年の1.45倍と大幅に高騰。


出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット)


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  • 価格の上昇に伴い、販売金額は前年比126%と2桁の伸長だが、数量/店は前年比87%と大きく低下しており、買い控え、購買頻度の減少や品切れといった状況が窺われる。


出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット)

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  • 入り数別で10個パックの平均価格は3月6日週に前週から10円、前年からは78円値上がりし、前年の1.52倍と顕著に上昇。


出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット)


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  • 10個パックの数量/店は前年比88%と大幅ダウン。


出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット)

 

  • 6個パックの平均価格前年比は10個パックより低く1.17倍。平均価格は3月6日週に前週から1円、前年からは32円アップと、10個パックと比較すると緩やかな増加となっている。


出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット)


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  • 6個パックの数量/店は110%と前年から増加。


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  • 10個パックから6個パックへのスイッチの可能性も考えられるが、10個パックの構成比が約8割と大半を占めるので大きなインパクトはないと推察される。


出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット)

 

  • エリア別の平均価格は、首都圏・東海・中国・四国・九州の価格が他エリアよりも高い。前年との価格差は北海道が一番低く40円で西にいくほど高くなり、東海・中国・四国・九州で77円~97円と著しく上昇しており、中国・四国・九州の平均価格は前年の約1.6倍となった。

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鳥インフルエンザが収束し元の状態に戻るまで半年から1年程度かかると言われており、今後も卵不足・卵の値上がりは続くと予想される。今後の動向も継続して注目していきたい。

 

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