5月でありながら、各地で30度を超える真夏日がすでに記録されています。2026年の夏は全国的に平年より気温が高く、猛暑となる可能性が高いと予想されています。この急激な気温の変化に伴い、夏型商品の需要立ち上がりが早期化している状況です。
本レポートでは、気温の変化が商品の売れる時期にどのような影響をもたらしているか、KSP-POSデータを用いて検証します。
【直近3年の平均気温比較 東京の気象データ】
気象庁の過去データから、直近3年間における5月の気温推移を比較すると、2026年の際立った暑さが浮き彫りになります。
・日平均気温
2024年も比較的高温でしたが、2026年5月はさらにそれを上回り、2024年比で+0.4℃、2025年比で+1.2℃となりました。
・日最高気温
2026年5月は25℃(夏日)を超え、2024年比で+1.0℃、2025年比で+2.2℃の大幅な上昇を記録しました。
・日最低気温
夜間の気温も高めに推移しており、2026年5月は平均16℃と、2024年比で+0.4℃、2025年比で+0.5℃高くなりました。
これらのデータから、2026年5月は例年と比べても非常に暑い1ヶ月であったことが読み取れます。
出典: 国土交通省 気象庁 ホームページ
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この記録的な暑さは、店頭の売れ行きにどう影響したのでしょうか。「加工食品」「菓子類」「飲料」「日用品」の4つのカテゴリーから確認します。
*本分析では、3年間(2023年6月〜2026年5月)の各カテゴリーにおける「各月売上平均」と「該当月の売上」を比較した指数を使用しています。
気温以外の要因も考えられますが、2026年5月はいずれの夏型カテゴリーも3年平均を上回りました。特に「冷麦・素麺つゆ」は平均を大幅に超過しています。
また、暑さによる疲労回復ニーズからか、5月は「果実酢」の売上も平均を上回りました。なお、「そば」は1月以降継続して平均を上回っており、これについては気候以外の要因(健康志向やトレンド等)も影響していると考えられます。
また、興味深い傾向として「需要の長期化」が挙げられます。「冷麦・素麺つゆ」や「冷やし中華(チルド麺)」は、2024年10月には売上指数が平均を下回っていたのに対し、2025年10月は大幅に上昇していました。夏型商品の購入期間が10月まで後ろ倒し(長期化)している様子が窺えます。
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット、東京都、速報店)
「錠菓(タブレット)」は年間を通じて右肩上がりのトレンドにありますが、2026年5月の突出した伸びについては、「カバヤ 塩分チャージタブレット」をはじめとする熱中症対策商品の早期需要が大きく貢献したと考えられます。また、「アイスクリーム」も気温上昇に連動し、5月の売上は3年平均をクリアしました。
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット、東京都、速報店)
「ミネラルウォーター」は2026年4月・5月と連続して3年平均を上回る好調な推移を見せました。一方で「スポーツドリンク」は、2026年5月も2024年(同様に暑かった年)と同レベルの動きに留まっています。
また、麦茶等を含む「その他ドライ系茶飲料」および嗜好飲料の「麦茶」は、ともに平均を上回る立ち上がりを見せています。
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット、東京都、速報店)
日用品カテゴリーでは、2026年5月の「UVケア(日焼け止め等)」の売上が3年平均を大幅に超過しました。実気温の高さに加え、生活者の「早めの紫外線対策」への意識の高まりが反映されています。同様に「制汗防臭剤」も5月から平均を上回る売上を記録しました。
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット、全国、速報店)
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2025年の残暑、そして2026年の初夏のデータが示す通り、かつての「春夏秋冬」のサイクルは揺らぎつつあり、春と秋が短縮化している可能性が否定できません。
このように季節の移り変わりが前倒し、かつ長期化していく中、流通・小売業界においては、これまでの「何月だからこの棚」という固定概念に縛られない、柔軟な棚替えの設計が今後は不可欠になっていくと考えられます。











