2026年の夏も、例年以上の酷暑と長期化が予測されています。近年のデータは、もはや「9月は秋」という前提が通用しないことを示しています。
本レポートでは、KSP-POSデータに基づき、夏の長期化が冬物商材の立ち上がりに与えた影響を分析します。
詳細> 【鍋物・おでん関連】 【シチュー・スープ】
【気象環境の変化】
- 東京の平均気温を5年前(2021年比)と比較すると、夏の終わりから冬にかけての高温化が顕著。2025年9月は+4.2℃という驚異的な上昇を記録。これにより「秋の立ち上がり」が物理的に消失したことが示唆される。
- 2026年1月(+1.2℃)、2月(+2.8℃)と冬場も高温が続いており、冬物商材のピークが短縮・後ろ倒しになっていることが推察される。
出典:気象庁ホームページ 過去の気象データ検索>観測開始からの毎月の値
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/monthly_s3.php?prec_no=44&block_no=47662&year=&month=&day=&view=a3
◆カテゴリー別 季節指数比較
[季節指数:1ヵ月平均の売上金額(年間売上/12ヵ月)=100%として算出]
- 鍋物つゆ・おでんセット: かつて9月は「鍋の立ち上がり」として重要な時期であったが、9月の季節指数が5年前比で激減(鍋物つゆ -34pt、おでんセット -61pt)。「鍋物つゆ」「おでん」は需要が10月〜1月に集中しており、もはや9月は「立ち上がり時期」としての機能を果たしていないと言える。
- 用途による差: 「すき焼きの割下」や「揚げ物・はんぺん」は、季節変動の影響を受けにくい。これらは「ハレの日需要」や「日常のおかず」としての側面があるため、気温に左右されにくい安定した棚割りが求められる。
(青線:2021年〜2022年 赤線:2025年〜2026年)
出典:KSP-POS(食品SM、月次、全国)
出典:KSP-POS(食品SM、月次、全国)
※揚げ物:練製品の揚げ物
出典:KSP-POS(食品SM、月次、全国)
- シチュールー: 2025年9月の指数が36pt低下。10月以降に需要がシフトしており、気温低下に合わせた「遅い展開」が定石となりつつある。
- レトルトシチュー・カップスープ: シチュールーと比較して指数の落ち込みが小さい。簡便性が高く、朝食需要やオフィスでの喫食など「気温以外の要因」で動くため、残暑期でも一定のボリュームを維持できる。
出典:KSP-POS(食品SM、月次、全国)
出典:KSP-POS(食品SM、月次、全国)
◆指標別比較
(2025年9月 vs. 2021年9月)
- 「おでんセット」「おでん関連」「鍋物つゆ」を筆頭に、多くの冬物カテゴリーで「数量/店」「金額PI」が大幅に減少。
- 「シチュールー」は数量/店は51%まで落ち込んでいるものの、金額PIは74%に留まってる。これは平均価格が140%上昇したためで、数量ベースのマイナスは金額以上に厳しい結果となった。
- 平均価格は全カテゴリー上昇しており、特に「シチュールー」の上げ幅が大きい。
【数量/店:1店当たりの販売個数】
出典:KSP-POS(食品SM、月次、全国) 単位:個数
【金額PI:販売店千人当たりの売上金額】
出典:KSP-POS(食品SM、月次、全国) 単位:円
【平均価格】
出典:KSP-POS(食品SM、月次、全国) 単位:円
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夏の長期化を受け、秋冬の棚割りには再考が迫られています。今後は、気温に左右されにくいレトルト等の「通年商材」と、時期を見極めた「季節商材」をどう組み合わせ、どのタイミングで投入するのか、戦略的な展開が不可欠です。









