インフルエンザが猛威を振るっており、医療機関は長蛇の列。2024年12月16日から22日の週、全国平均で1医療機関当たりの患者数が過去10年で最多、警報レベルを超える都道府県は36を超えているとのこと。その上、製薬会社の 不祥事などの影響で全国的に薬が不足しており、特に咳止めなどの供給不足が続いているそうです。
そんな状況の中、「のど飴」の売上が好調です。KSP-POSデータから、食品スーパーとドラッグストアにおける「のど飴」の販売状況を確認してみましょう。
※ のど飴:KSP標準分類の「130121 キャンディ・キャラメル」から商品名に「のど・ノド・喉・咽喉」などがつくアイテムを集計
- のど飴の食品スーパー(食品SM)とドラッグストア(DgS)における月次の金額PIはほぼ同様の動きを示しており2024年前半、前年から2桁の伸びで推移し秋口に1桁になったが、11月に再び2桁に転じ、12月には共に前年比120%に達した。2024年12月の食品SMにおける金額PIは約2,700円に対しドラッグストアは6,300円で、ドラッグストアの売上が40% 以上高い。
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット、月次、全国)
出典:KSP-POS(ドラッグストア、月次、全国)
【週次】
- のど飴の食品SMおける週次の金額PIは、10月後半から前年比2桁の伸びで推移。特に12月16日週は前年比126%→12月23日週は134%と大幅に増加。ドラッグストアも食品SMと同様に、12月16日週は前年比123%→12月23日週は135%と大きく上昇した。インフルエンザの感染拡大と薬不足が一因と推測される。
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット、週次、全国)
出典:KSP-POS(ドラッグストア、週次、全国)
- のど飴の食品SMおける週次の数量PIの前年比は、12月9日週以降2桁を記録。ドラッグストアも同様で12月23日週には前年比が124%に達した。ここでもインフルエンザ流行の影響が窺われる。
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット、週次、全国)
出典:KSP-POS(ドラッグストア、週次、全国)
- 食品SMのエリア別で金額PIが他エリアより高いのは北海道と東海。前年比が高いのは北陸・東海・九州だった。ドラッグストアでは近畿と九州の伸び率が高かった。
※国立感染症研究所による定点医療機関の都道府県別インフルエンザ患者数は大分県、鹿児島県、佐賀県、千葉県、福岡県、愛知県、山梨県、愛媛県、埼玉県、宮崎県、山口県(九州が6県)の順で高い(12月16日週)。 https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-map.html
- 食品SM、ドラッグストア共に1位は「龍角散のどすっきり飴」だが、食品SMは88g、ドラッグストアでは100gと容量が異なり、またドラッグで2位の「龍角散ののどすっきり飴カシス&ブルーベリー 75g」は食品SMでは上位20位にはランクインしておらず、メーカーの業態による戦略の違いが窺われる。
- 食品SMでは「榮太樓総本舗」「アサヒグループ食品」など、食品系の業態に強いメーカーが20位内にランクインしている。
- 直近1年に発売された商品は食品SMでは0、ドラッグストアで1アイテムと既存製品が強いカテゴリー。
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット、月次、全国)
出典:KSP-POS(ドラッグストア、月次、全国)
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インフルエンザは今後もピークが続くと予想されます。手洗いやうがいを励行し、薬が入手できない場合は「のど飴」を補助的に使いつつ乗り切りたいものです。