発行日:2025年6月23日
KSP-POS マーケットトレンドレポート Vol.187
- 外食業界で麻辣湯人気が続いている中、この春、食品SMでも麻辣商品の売上が拡大。
- 麻辣湯のカップヌードルも発売。30代、40代の女性を中心に支持を集めている。
- 調味料では、中華調味料だけでなくマヨネーズでも麻辣味が登場。
*POSデータの対象店舗数、抽出期間等は巻末参照。
麻辣商品 時系列推移
近年、外食業界を中心にひときわ存在感を放っているのが「麻辣」をテーマにした料理。麻辣とは、花椒(ホアジャオ)による舌が痺れるような辛さ「麻(マー)」と、唐辛子による刺激的な辛さ「辣(ラー)」を組み合わせた独特の味覚を指す。
特に、好きな具材を選んで麻辣味のスープで楽しめる「麻辣湯(マーラータン)」は、Z世代の若い女性を中心に人気が沸騰。TikTokやInstagramでは、麻辣湯の食レポ動画が多数投稿されており、「映える」ビジュアルや、美容にも良いという点が支持されているようだ。また、麻辣湯好きを公言している芸能人や韓国アイドルもおり、ブームに影響を与えている。
食品SMにおいても商品名に「麻辣」「マーラー」を含む「麻辣商品」は、売上が拡大しており、25年春(25年3~5月計)は24年冬(24年12月~25年2月)と比較して金額比223%と大きく拡大している。中でも調味料と麺類での拡大が大きい。アイテム数を22年夏以降の長期経過で見ると、直近で特に多くなっている訳ではないが、店頭取扱アイテム数では25年春が最大。人気に伴って、店頭での扱いが増えている事が推測される。
▲KSP-POS 食品SM(全国、2022年6月~2025年5月)春:3月~5月計、夏:6月~8月計、秋:9月~11月計、冬:12月~翌年2月計
▲KSP-POS 食品SM(全国、2022年6月~2025年5月)
アイテムランキング
2025年5月の麻辣商品のアイテムランキングを見ると、上位10商品のうち2025年以降に出現した新商品は4商品。売上、店頭取扱アイテム数共に直近で増加していた調味料、麺類はそれぞれ「CookDo極麻辣回鍋肉用」と「カップヌードル14種のスパイス麻辣湯」の影響が大きい事がわかる。また、調味料ではキユーピーから麻辣味のマヨネーズが発売されており、27%以上の販売店率となっている。
購入層(ターゲット層)
カップヌードルで通常の商品と麻辣湯の購入者を性年齢別数量構成比で比較すると、麻辣湯は男性では50代以下、女性では40代以下で数量構成が大きい。定番品3品の性年齢別数量構成比はほとんど差がなく、メイン購入層(最も構成比が高い層)は70代女性。これに対して麻辣湯は40代女性の構成が最も大きく、ターゲットが大きく異なっている事が分かる。女性30代40代は、定番3品では全体の13%ほどであるが、麻辣湯では倍以上の29%を構成。
キユーピーマヨネーズで性年齢別数量構成比で比較すると、カップヌードルと同じく麻辣味は女性40代での数量構成比の大きさが目立っている。
*KSP-POSの平均価格、金額は全て税抜です。
調査概要
POSデータ: KSP-POS 月次データ
期間 :月次2022年6月~2025年5月
地域 /店舗数 : 全国 食品スーパー784店舗
*KSP-POSは全国約1050店舗の食品スーパーから収集した販売情報データベースです。
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