発行日:2025年4月18日
KSP-POS マーケットトレンドレポート Vol.185
- 2025年4月~、各社で酒類の値上げが実施された。
- 缶チューハイを含むスピリッツは、値上げ後も売上好調を維持。
- ビールでは、値上げ直前に24缶ケースの売上が伸長。消費者の買いだめが目立った。
*POSデータの対象店舗数、抽出期間等は巻末参照。
酒類カテゴリー前年比推移
2025年4月から酒類メーカー各社から値上げが発表されていた。値上げ前の買いだめは、特にビールの売上動向からうかがう事ができる。ビールは値上げ直前の3月24日週に金額前年比131%、数量前年比102%、平均価格前年比129%。平均価格が高い大容量商品の売上が大きくなった事で平均価格が上がっている。同様に発泡酒でも大容量での買いだめの動きが見られた。缶チューハイなどを含むスピリッツはもともとのベースが好調で、カテゴリー全体では値上げ後も数量マイナスには至っていない。
▲KSP-POS 食品SM(全国、2025年2月24日週~4月7日週)
ビール×エリア別
値上げによる影響が大きかったビールの前年比をエリア別に見てみると、全エリアで値上げ直前の3月24日週は金額前年比、平均価格前年比が大きくプラス。また、ビールはもともとマイナス基調で推移していたカテゴリーであるが、3月24日週は数量でも前年プラスになったエリアが多い。値上げ後の3月31日週は、ほとんどのエリアで金額数量共に大きくマイナスになっている。
▲KSP-POS 食品SM(エリア別、2025年3月24日週~3月31日週)
ビール×ブランド別
主要メーカーのブランド別に前年比を見ると、いずれのブランドも3月24日週に金額前年比、平均価格前年比が大きくプラスになっており、値上げ前の買いだめ傾向がうかがえる。ブランド毎に比較すると、スーパードライは値上げ直前に買いだめ、一番搾りは3月10日週頃から伸長の動きが見られる。黒ラベルは2月末からもともと前年比が高いが、3月17日週から平均価格が上がっている。プレミアムモルツはマイナス基調であったが、値上げ直前の3月24日週は平均価格が大きく上がり、金額前年比プラスになった。
▲KSP-POS 食品SM(全国、2025年2月24日週~4月7日週)
ビール×容量
350ml缶を単品、6缶ケース、24缶ケースに分けて前年比の推移を確認する。350ml単品は、直前の3月24日週よりも前週の3月17日週に売上が高まっている傾向があり、24缶ケースにおいては直前の3月24日週の前年比プラスが目立つ。また、大容量商品については3月以降若干価格を下げていた様子も見える。
▲KSP-POS 食品SM(全国、2025年2月24日週~4月7日週)
*KSP-POSの平均価格、金額は全て税抜です。
調査概要
POSデータ: KSP-POS 週次データ
期間 :週次2025年2月24日週~4月7日週
地域 /店舗数 : 全国 食品スーパー902店舗
*KSP-POSは全国約1050店舗の食品スーパーから収集した販売情報データベースです。
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