9月1日は「防災の日」。皆さん、防災への備えはできていますか?
8月8日に宮崎県の日向灘で起きた地震を受けて気象庁は、南海トラフ沿いではいつ大規模地震が発生してもおかしくないという「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。
そのような報道を受けてどのようなカテゴリーが伸びたか、KSP-POSデータを使ってエリア別に検証してみましょう。
まとめ>
◆ カテゴリー別 エリア別 金額/全店千人当たり前年比 (期間:2024年7月22日週~8月12日週累計)
防災用の備蓄用品や避難生活用品の金額全店PIをエリア別に前年同期と比較すると、南海トラフ地震の主な対象となる東海と四国エリアで多くのカテゴリーが大幅に伸長している。近畿や中国エリア・首都圏で拡大しているカテゴリーも一部見られた。
東海と四国エリアで、食品ではパックご飯などを含む「米飯加工品」、「ミネラルウォーター」、乾パン・非常用ビスケットなどを含む「防災用品」、日用品では「ウェットティッシュ」、耐久消費財では「電池」「懐中電灯」などの伸び率が高かった。また、東海より四国エリアの方が伸び率が高いカテゴリーが多く見られた。
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット) 週次 速報値、期間:2024年7月22日週~8月12日週累計
※ KSP-POSでは「食品」と「日用品」のデータをご提供。「耐久消費財」は参考値。
分類別詳細>
さらに、KSP-POSを使って防災用の備蓄用品や避難生活用品の売上を細かく確認していきましょう。
※参考値 【耐久消費財】 【家電】
<米飯加工品>
「無菌パック米飯」「レトルト米飯」「かゆ・雑炊」を含む「米飯加工品」は、エリア別では「東海」「近畿」「首都圏」「四国」で伸び率が高く、細分類別では価格が低めの「レトルト米飯」の伸びが高かった。これは米不足が一因とも考えられる。
<畜肉 ビン・缶詰>
「四国」「中国」「近畿」「東海」で伸び率が高く、細分類別では特に即食できる「やきとり」の伸びが「首都圏」「近畿」「中国」四国」で高かった。
<水産 ビン・缶詰>
「首都圏」「東海」「四国」「中国」で伸び率が高く、細分類別ではそのままでも食べやすい「さば」「いわし」「さんま」などの伸びが目立った。
<米>
米は昨年の猛暑による不作など、様々な理由で値上がり、品切れなどが起こっており「令和の米騒動」などと言われている。全国的にPI値は大幅に拡大しており、「南海トラフ地震臨時情報」による備蓄も考えられるが、「東海」や「四国」エリアでの伸び率は他エリアより低く、「南海トラフ」の影響はそれほど大きくなかったのではないかと推察される。
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット) 週次 速報値、 期間:2024年7月22日週~8月12日週累計
<緑茶飲料>
「東海」「中国」「四国」で伸び率が高かった。
<その他ドライ系茶飲料>
麦茶などを含むその他ドライ茶系飲料は、「東海」「四国」「九州」で前年から大きく拡大した。
<ミネラルウォーター>
「東海」「近畿」「四国」での伸長が目立った。「東海」は172%、「四国」は153%と高い伸びを示し、飲料の中でも特に備蓄品として購入されている状況が窺われる。都道府県別に見ると、前年比が全国より10ポイント以上高い県は、「岐阜」「静岡」「愛知」の東海エリア、「和歌山」、「香川」「愛媛」」「高知」の四国エリアなど、南海トラフに該当する県が多く見られた。
<ミネラルウォーター 県別 前年比>
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット) 週次 速報値、 期間:2024年7月22日週~8月12日週累計
<防災用品>
乾パン、保存用ビスケット、防災用非常食のレトルトカレー、米などが含まれるが、全国的に大幅な拡大を示しており、特に「北陸」「東海」「近畿」「四国」「九州」での拡大幅が大きかった。「南海トラフ地震臨時情報」は程度の差こそあれ、全国的に影響があったことが窺われる。
<防災用品TOP15>
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット) 週次 速報値、 期間:2024年7月22日週~8月12日週累計
<トイレットペーパー>
「東海」「中国」「四国」で増加率が高かった。
<ティッシュペーパー>
「東海」「中国」「四国」で伸びが目立った。
<ウェットティッシュ>
入浴できない災害時には体が拭けるなど重宝するウェットティッシュは、「北陸」「東海」「中国」「四国」での拡大幅が大きかった。
<生理用品・用具>
傷の手当,ガーゼの代用としても重宝する生理用品・用具は、「東海」「中国」「四国」で前年比が高かった。
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット) 週次 速報値、 期間:2024年7月22日週~8月12日週累計
<ラッピングフィルム>
食器の上に敷けば洗う必要がなく、身体に巻けば保温に便利なラッピングフィルムは、「東海」「近畿」「中国」「四国」での伸長が目立った。
<簡易食器>
使い捨ての紙皿や紙コップを含む簡易食器は、「東海」「近畿」「中国」「四国」で前年から大きく拡大した。
<ライタ―>
調理用や暖房器具の火おこしなどに使えるライターは、「北陸」「東海」「近畿」「四国」で前年比が高かった。
<家庭用手袋>
使い捨ての手袋や食器洗い用のゴム手袋を含む家庭用手袋は、「北海道」「中国」「四国」で伸長率が高かった。
出典:KSP-POS(食品スーパーマーケット) 週次 速報値、 期間:2024年7月22日週~8月12日週累計
<電池>
懐中電灯やラジオに使用される電池は「首都圏」「東海」「四国」で特に伸長率が高く、地震対策で購入された状況が窺われる。
<懐中電灯>
災害時の停電の際に必須の懐中電灯は、食品スーパーにおける購入率は低いと思われるが全国的に伸び率は高く、特に「首都圏」「北陸」「東海」「中国」「四国」で拡大幅が大きかった。
参考値:KSP-POS(食品スーパーマーケット) 週次 速報値、 期間:2024年7月22日週~8月12日週累計
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「南海トラフ地震臨時情報」により、該当地域における防災用の備蓄用品や避難生活用品の販売が大幅に増加していることがわかりました。「防災の日」を迎えるに当たり、今一度防災用品の準備について見直してみてはいかがでしょうか。