発行日:2025年9月10日
KSP-POS マーケットトレンドレポート Vol.189
- 物価高騰の食品が多い中、価格が安定している豆乳。直近1年の金額前年比107%、数量前年比108%。年間を通して前年プラスが続いている。
- アーモンドミルクはシェア1位アーモンド効果の好調&アーモンドブリーズのリニューアルによって大幅な売上アップが継続中。
*POSデータの対象店舗数、抽出期間等は巻末参照。
植物性ミルク全体の売上動向
植物性ミルクでは豆乳が全体の約80%の金額を構成しており、金額数量共に前年比プラスで推移を続けている。豆乳の平均価格は直近1年を通して前年並みをキープ。物価高騰の食品が多い中、価格が上がっていない豆乳は生活者にとって手に取りやすい存在である事が推測される。
3月からシェアが拡大しているのはアーモンドミルク。2月まで金額数量共に前年比マイナスであったが、3月以降急伸。反対に同時期からオーツミルクの売上は下降。金額前年比はもともとマイナスであったが、アーモンドミルクの売上が拡大した3月以降は、オーツミルクのマイナス幅が拡大している。
▲KSP-POS 食品SM(全国、2024年9月~2025年8月)
豆乳
豆乳内の金額シェアは調整豆乳35%、無調整豆乳37%、豆乳飲料25%(2024年9月~2025年8月計)。豆乳はいずれの分類も前年と比較して価格は安定している。
最もシェアが大きい無調整豆乳は、年間を通して金額数量共に前年比プラスを継続しており、4月以降は金額前年比2桁アップ。特に7月8月は115%、121%と増加幅も更に増している。
次にシェアが大きい調整豆乳は、3月まで前年並みの金額前年比であったが、無調整豆乳と同じく4月以降好調が続いている。
▲KSP-POS 食品SM(全国、2024年9月~2025年8月)
いずれの分類も前年と比較してアイテム数は増加していない。売場視点で確認すると、調整豆乳の店頭取扱アイテム数は減っているが、無調整豆乳の店頭取扱アイテム数は増加している。前年と比較して、店頭での品揃えの変化がうかがえる。
▲KSP-POS 食品SM(全国、2024年9月~2025年8月)
直近8月のアイテムランキングを見るとトップ10の商品は全て金額前年比プラス。キッコーマンソイフーズのおいしい無調整豆乳(1位、6位、18位)はいずれも金額数量共に前年比が120%を超えている。
アーモンドミルク
2025年3月からアーモンドミルク全体の売上は大きく伸長。
カゴメ「アーモンドブリーズ」はこの3月より大幅リニューアル。店頭では、3月からカゴメの店頭取扱アイテム数が大幅に増加。店頭でアーモンドミルクの棚スペースが広がった事がうかがえる。
また、江崎グリコ「アーモンド効果」は3月から新CMの放送を開始し、金額前年比は2月87%→3月131%と大きくプラスに転じた。同タイミングから江崎グリコの店頭取扱アイテム数も増加傾向。
▲KSP-POS 食品SM(全国、2024年9月~2025年8月)
直近8月のアイテムランキングを見ると1位~7位を江崎グリコ「アーモンド効果」が独占。いずれの商品も大幅に金額数量共に前年比アップ。数量/店も販売店率も前年プラスになっており、回転も面も前年より高まっている事がわかる。
*KSP-POSの平均価格、金額は全て税抜です。
調査概要
POSデータ: KSP-POS 月次データ
期間 :月次2024年9月~2025年8月
地域 /店舗数 : 全国 食品スーパー916店舗
*KSP-POSは全国約1050店舗の食品スーパーから収集した販売情報データベースです。
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