発行日:2024年12月16日
KSP-POS マーケットトレンドレポート Vol.183
- 前年とほぼ同じ価格で安定しているカット野菜は、売上前年比2桁アップ。
- アイテム数は減っているが、取扱アイテム数は前年並み。店頭での回転が良く、棚スペースは確保されている。
- 男性支持が高い、高齢層からの支持は高くないのが全体感だが、年代差や男女差、カット野菜の種類によって異なる傾向が見られる。
*POSデータの対象店舗数、抽出期間等は巻末参照。
カット野菜
カット野菜は金額数量共に前年比プラスで推移している。2024年11月は前年比2桁アップで好調が目立つ。平均価格は116円。前年と比べると3円アップしているが、年間を通して前年との平均価格差は大きくない。簡便さに加え、生鮮食品と比較すると価格が安定しているカット野菜は、数量/店が115%となっている。出現しているアイテム数は前年よりも少ないが、店頭での取扱アイテム数は減っておらず、回転の良さ(数量/店のプラス)が金額数量の売上プラスの要因となっている。
▲KSP-POS 食品SM(全国、2023年12月~2024年11月)
細分類別
カット野菜の中で売上の構成が大きいのはカット野菜ミックスとカットねぎ。この二つでカット野菜全体の80%以上の数量を占める。カット野菜ミックス、カットねぎ共に前年比はプラス基調。12ヶ月累計の金額前年比はカット野菜ミックス107%、カットねぎ110%。前年比のプラスが大きいのは、その他カット農産で、ここにはキャベツや白菜などが含まれる。その他カット農産の12ヶ月累計の金額前年比は123%。カット果物は他のカット野菜よりも価格帯が高い。カット果物以外は100円程度で推移している中、カット果物は250~300円の間。また、8月までは前年よりも10円以上高い平均価格であったため、数量前年比はマイナスが続いていた。直近では前年の価格に近付いており、売上もプラスになった。
▲KSP-POS 食品SM(全国、2023年11月~2024年10月)
2024年11月アイテムランキング
上位30商品中26商品で金額数量共に前年比プラス。
性別×年代別
それぞれのカット野菜を誰が購入しているのか、I分析を用いて性年齢別の買上構成比を確認してみる。データのサンプルである食品SMの特性もあり、女性の買上構成比が高いが、食品SM全体の構成と比較すると、カット野菜は男性の構成比が高い。また50代以下で食品SM全体よりもプラスになっている。野菜を買って切る事に比べると割高だが簡単便利なカット野菜は、男性支持されている&年齢層が高い世代からの支持は高くない事がわかる。60代では、女性は食品SM全体よりも構成が低いが男性は高いという結果になり、男女で異なる結果になっている。また、年齢が高まるにつれて支持が低くなるカット野菜であるが、カット果物においては70代男性の構成が6.3%あり、食品SM全体よりも1.2%高い。細分類別、年代別、男女別で様々な違いが見受けられる。
*KSP-POSの平均価格、金額は全て税抜です。
調査概要
POSデータ: KSP-POS 月次データ
期間 :月次2023年12月~2024年11月
地域 /店舗数 : 全国 食品スーパー840店舗
*KSP-POSは全国約1050店舗の食品スーパーから収集した販売情報データベースです。
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