酒税改正により価格差が縮まるビール系。日次動向から見える状況は?

発行日:2023年10月13日
KSP-POS マーケットトレンドレポート Vol.170

  • 2023年10月1日酒税改正により、第3のビールは増税、ビールは減税。また同タイミングで価格を改定した商品も多く見られ、ビール・発泡酒・第3のビールの価格差が減少。
  • 増税になった第3のビールでは駆け込み需要が発生し、前日の9月30日には大きく売上が伸長。増税後の売上減少は1週間経過した10月8日時点でも回復が見られない。
  • 減税になったビールは10月1日以降、売上が伸長し、ビール系全体の中でのカテゴリーシェアが大きく拡大。これに伴い、ビール系全体でのアサヒビールのメーカーシェアが増加した。

*POSデータの対象店舗数、抽出期間等は巻末参照。

ビール系(ビール・発泡酒・第3のビール)日次推移

第3のビールは、増税前日の9月30日(土)に大幅に売上が増加。前週の9月23日(土)と比較すると231%の金額。更に平均価格も上がっており、大容量品が駆け込みで買いだめされていたことがうかがえる。

減税になったビールは、10月1日以降売上が増加。減税後の土日の売上は金額、数量、数量/店いずれも減税前よりも増加している。

発泡酒は税率の変更はなかったが、10月1日からの値上げを実施した商品が多く、9月30日に売上や平均価格が大きくなった。

▲KSP-POS食品SM(全国、2023年9月18日~10月8日)

容量別

第3のビールは増税前に24本入のシェアが大幅に増え、増税後には大幅に縮小。代わりに単品や6本入のシェアが拡大。一週間経過した10月8日時点でもこの傾向は変わっていない。

ビールは10月1日に一時的に24本入のシェアが拡大したが、その後の容量別シェアは減税前と大きく変わらない。

▲KSP-POS食品SM(全国、2023年9月18日~10月8日)

主要商品別(350ml単品)

第3のビールと発泡酒は10月1日から値上げをしている商品が多く、価格の逆転はないが、価格が近づいている。反対にビールは平均価格が下がっており、第3のビールや発泡酒との価格差が少なくなっている。

▲KSP-POS食品SM(全国、2023年9月18日~10月8日)

第3のビールの350ml主要商品別に日次の推移を見ると、10月1日から各商品とも税別で10円以上平均価格が上がっている。特に本麒麟は130円→144円と14円高くなった。

各商品とも10月1日以降、金額は減少。1週間経過した10月8日、350ml単品でも金額は戻っていない状況。

▲KSP-POS食品SM(全国、2023年9月18日~10月8日)

 

ビールの350ml主要商品では、10月1日から平均価格が5円~8円程度下がっている。もともと他商品よりも低価格であるサントリー生ビールは10月1日のタイミングで179円→173円に。サントリー生ビールは他のビールの主要商品と比較して10月1日以降の売上の伸長率が高い。

▲KSP-POS食品SM(全国、2023年9月18日~10月8日)

メーカー別

税率が変更になった第3のビールとビールのメーカーシェアは大きな変動はない。ビール系全体ではビールのカテゴリーシェアが拡大した影響でビールNo.1メーカーであるアサヒビールのメーカーシェアが大きくなっている。

▲KSP-POS食品SM(全国、2023年9月18日~10月8日)

*KSP-POSの平均価格、金額は全て税抜です。

調査概要

POSデータ: KSP-POS 日次データ
期間 :日次2023年9月18日~10月8日
地域 /店舗数 : 全国 約910店舗

*KSP-POSは全国約1040店舗の食品スーパーから収集した販売情報データベースです。

 

 

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