”炭酸でつくる自由なビール”として、11月15日にサントリー家庭用商品が発売された「ビアボール」。CMやSNSで積極的に発信をしていますが、食品スーパーではどのような方が購入しているのでしょうか?
発売から1月初旬までのデータを基に、KSP-POSで動向を見てみましょう。
【商品紹介】商品HP等より
「ビアボール小瓶334ml」
●炭酸でつくる自由なビール(炭酸水で割るビール=ビアボール)
●前年割れが続くビール市場で新たなカテゴリーの創出に挑戦し、市場の活性化を狙う
●消費者がワクワクする楽しさを提案し、特にMZ世代(ミレニアル世代+Z世代:20代~40代前半)、モノを買う世代ではなくコトを楽しむ世代を狙う
●定番以外の飲み方や、色々なオケージョンを提案
●開栓後要冷蔵で2週間楽しめる
【まとめ】
発売直後は新ジャンルの話題性等もあり、ビールカテゴリーで2位となりました。その後、売上は徐々に低下しているようですが、ビール既存品とは異なる購入層を獲得できているようですので、新カテゴリーの創出・市場の活性化などの狙いは達成できていると言えるのではないでしょうか。
購入層から、食品スーパーよりはコンビニ購入層向き商品とも言えるため、コンビニでの販売動向は食品スーパーとは異なることが推測されます。
※KSP-POS(食品スーパーマーケット)より
1.販売動向
発売開始後9週間のデータでは、発売初週の売上が最も高く、その後低下傾向。年末週に盛り上がるが、年明け後盛り上がりは継続せず。(左図)
売上を分解して見ると下記の通り。(右図)
・数量/店:発売初週約30個→1/9週約4個
・販売店率:発売週約77%→1/9週約54%
面(販売店率)、回転(数量/店)ともにじわじわ低下し、初週ほどの勢いは見られない。ただし、本商品は飲み切りではなくメーカー推奨の1(ビアボール):3(炭酸飲料)で割ると、約8杯分ということから、リピート購入までのスパンがビールとは異なることも留意する必要がある。
2.ビールカテゴリーでのランキング
発売初週は、「アサヒ スーパードライ 缶 350ml×6」(金額構成比9.5%)に次いで2位(同5%)となり、カテゴリーに大きなインパクトを与えた。
1/9週では金額構成比0.6%の38位にとどまる。
3.誰が購入者しているか
①ビールカテゴリー上位品と比較
性別では他商品と大きな違いは見られない。
年代別では、大きな違いがみられる。特に40代以下の構成比が高く、ビールカテゴリーになじみが薄い年代の取り込みに成功しており、新カテゴリ創出からカテゴリーの活性化につながっていると推測される。
②”~の素”商品と比較
炭酸飲料で割ったり、ロックで飲む飲用シーンから、”~の素”商品と比較してみた。
性別では、男性が少なめ、女性が多め。
年代別では、ビール上位品ほどの大きな違いは見られない。40代以下は少なめ、50代・60代は同程度。70代以上は多め。
「ビアボール」は、既存のビールユーザーと”~の素”ユーザーの中間的な位置づけを獲得できているとも言える。